第35章 ママはもう耐えられない

「ママのこと、責めないでくれるよね?」

きっとお腹の中からでも分かるでしょう。ママがこの何日、どれだけ悔しい思いをしてきたか。

ママだって、あなたを守ろうとしなかったわけじゃない。必死だった。だけど――もう、心が限界なの。

そう思いながら森川汐里は涙を拭い、残った力を振り絞って机へ向かった。引き出しから果物ナイフを取り出す。

柄に映り込んだ自分の顔は、痩せこけて、青白い。さっきの小野雨音の言葉が脳裏に蘇り、汐里は思わず大きく息を吸った。

全部……終わらせなきゃ。

……

部屋へ戻った小野雨音は、得意で仕方がなかった。森川汐里の、砕けたような絶望の目を思い出すだけで、胸の奥がすうっ...

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