第45章 由真、大変だったね

まさか、すぐそばで森川美香の、感情の欠片もない声が響いた。

「このクズが、せっかくの情けを踏みにじるってんなら……腹を空かせてやればいいのよ。少しは身の程を覚えるでしょ」

その言葉を聞いた瞬間、森川汐里はぞくりとした。震える手で森川美香の足首にしがみつき、縋るように見上げる。

「や……やめて。お願い……餓死しちゃう……!」

飢えで意識が遠のいた、あの感覚。今でも身体の奥にこびりついている。

ようやく生き延びたはずなのに、また死にかけるなんて――怖くないはずがなかった。

「離せ」

森川美香は、汐里をドブネズミでも見るみたいな目で見下ろすと、嫌悪を隠しもせず足を振り払った。ついでに...

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