第69章 彼女を救う

「誰だよ……誰が俺の邪魔しやがった。信じねえぞ。絶対に許さないぞ」

酒を何杯もあおった社長は、すでに正気を失っていた。

いいところを邪魔された苛立ちのまま、見境なく怒鳴り散らす。

森川汐里は男の腕の中に押し潰され、力の差は歴然で、どう足掻いても身動きが取れない。

肥えた身体が視界を塞ぎ、相手の顔も見えないまま、喉が裂けるほど叫んだ。

「助けて! 助けてください! この人、私に乱暴しようとして……お願い、警察を――」

言い終える前に、ぐいっと強い力が社長の身体を引き剥がした。

社長はなおも汚い言葉を吐き散らす。

「誰だ! 誰が引っ張った! 死にてえのか!」

解放された汐里は、...

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