第8章 親密写真

「……別に、ないよ」

森川汐里は、いま自分がどんな気持ちでいるのか、どう説明すればいいのか分からなかった。

藤原由真と泥沼みたいに絡み合って、病気まで背負ってから。

心の形は、音もなく変わってしまった。

そんな彼女を見て、九条千秋はふっと笑い、話題を病状へ移した。

「それにしても、あれだけ大きな事故だったのに……軽傷で済んだなんてね」

その言葉を聞いた瞬間、森川汐里の表情が引き締まる。

「赤ちゃんに影響は……?」

「大丈夫。問題はないよ。強い子だ」

まるで――母親に似たみたいに。

赤ちゃんが無事だと分かって、森川汐里はようやく息を吐いた。

けれど藤原由真の顔が脳裏をよぎ...

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