第104章

食事が済むと、天宮徳臣は川元を連れて書斎へ入った。

「例の藤原天輝という男、一体何者だ?」

川元は焦る様子もなく落ち着いて答える。

「調べましたところ、藤原氏は若奥様の中学時代の同級生だそうです。当時の同級生の話によりますと、若奥様の方が彼を追いかけていたとか……」

徳臣が顔を上げる。その冷ややかな瞳には、驚きの色が浮かんでいた。

その表情を見て、川元の心臓が跳ね上がる。心の中で冷や汗をかきながら念じた。

(若奥様、恨まないでくださいよ。あんなに派手に動かれたら、隠しようがないんですから。嘘はつけません)

「事実のようです。ただ、幸いなことに藤原氏は途中で留学し、若奥様もすぐに...

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