第117章

職員は彼女が猛然と突っ込んでくるのを見て、怯んで身をかわそうとしたが、早乙女珠妃の強烈な蹴りがそれを許さず、男は無様に地面を転がった。

手から注射器を奪い取ると、早乙女珠妃は返す刀で職員の背中にその切っ先を突き立てた。断末魔のような悲鳴が響き渡り、男は白目を剥いて昏倒する。

「おい、何をしている! 早くあいつを取り押さえろ!」

まさか武術の心得があるとは予想外だったのか、院長は狼狽し、金切り声を上げて職員たちをけしかけた。

数人の屈強な男たちが一斉に飛びかかる。腕を羽交い締めにし、腰に抱きつき、さらには足にしがみつく。

それは錯乱した患者を制圧するための常套手段だった。泥臭いやり方...

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