第13章

「困りましたな……」

執事はその場に立ち尽くし、大げさに頭を抱えてみせた。

夜になり、就寝の準備をしていた早乙女珠妃は、驚くべき事態に直面していた。

寝室のドアが開かないのだ。

執事は能面のような無表情で近づいてくると、淡々と告げた。

「早乙女様、あいにく寝室のドアノブが故障してしまいまして。修理が間に合いませんので、大奥様より今夜は若様と同室で休むようにと」

「えっ……それは、まずいのでは?」

珠妃はすかさず隣の部屋を盗み見た。

「若様はご存知なの?」

「私どもから説得いたしますゆえ」

執事は恭しく頭を下げた。

つまり、今夜は同居を強制されるということか。

逃げ場を...

ログインして続きを読む