第147章

「往年の伝統として、大トリを飾るのは純白のウェディングドレスだ。だが、このシルク刺繍は極彩色だぞ。ドレスには不向きだ。君のアイデアには賛成だが、トリに持ってくるのは絶対に無理だ」

 コーエンは早乙女珠妃の説得を試みていた。

 早乙女珠妃は頷いた。

「心配するのはもっともよ。でも、やってみなくちゃ分からないわ」

 コーエンは彼女の大胆さに言葉を失った。AGは常に神話を創造してきたが、この生地の採用はあまりに冒険が過ぎる。彼は首を縦に振れなかった。

 コーエンは食い下がった。

「ハニー、もう一度よく考えてくれ。AGの未来を賭けのチップにするわけにはいかないんだ」

 早乙女珠妃は布地...

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