第173章

エレベーターが五十五階で止まり、扉が開いたその瞬間、コーエンの姿が二人の前に現れた。

口を開くよりも先に、天宮徳臣はこの男こそが、度々早乙女珠妃のそばに現れていた人物だと確信した。

天宮徳臣を見た瞬間、コーエンはその足に一瞬驚いたような視線を向けたが、すぐに表情を引き締める。

五体満足だろうがなかろうが関係ない。男である以上、全員が敵だ!

「誰だあんた。何のために珠妃に会いに来た?」

コーエンの第一声は、火薬のような敵意に満ちていた。

川元一泉は主人が不利益を被るのを恐れて前に出ようとしたが、口を開く前に天宮徳臣が手を伸ばして彼を制し、後ろへ退かせた。

天宮徳臣は顔を上げ、コー...

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