第191章

早乙女珠妃は頷いた。

「ただし、天宮グループそのものとではなく、その傘下にあるアパレルブランドとの提携よ」

「ダブルネームの共同ブランドとして手を組み、ハイエンド市場を深く切り拓いていきたいの。市場のパイは巨大よ。……天宮社長は、興味がおありかしら?」

 彼女の顔に浮かんだ小悪魔的な笑みに、天宮徳臣は一瞬、心を奪われたように見入ってしまった。

 すぐに我に返ると、彼は咳払いをして喉を整え、瞳に溺愛の色を浮かべて答える。

「ハイエンド・ラグジュアリーたるAGからのご指名とあらば、この天宮、光栄の至りとしか言いようがないな」

 そう言ってジャケットの襟を正すと、彼は早乙女珠妃に向かっ...

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