第218章

まさかこの男が、ぬけぬけと自分に電話をかけてくるとは思わなかった。

「コーエンさん、何のご用ですか?」

電話の向こうから清野雪音の氷のような声が響く。コーエンは慌てて口を開いた。

「清野さん、ちょっと出てこられないかな。話があるんだ」

「残念ですがコーエンさん、私からお話しすることは何もありません」

清野雪音は冷たく拒絶した。彼女は忘れていない。ついさっき、この男が自分を会社から追い出すと喚き散らしていたことを。

その口ぶりから、コーエンはこの女の怒りがまだ収まっていないことを悟った。

「切らないでくれ、大事な話なんだ」

コーエンは彼女に通話を切られるのを恐れ、慌てて引き止め...

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