第225章

ファッションウィークまであと二日。

天宮徳臣が案じているのは早乙女珠妃の手腕ではなく、彼女自身の身のことだった。

ここ数日、彼は片時も離れず会社に詰めていた。清野雪音や佐川青子たちがデザインを仕上げるのをその目で見届け、ようやく安堵の息を漏らす。

今回の早乙女珠妃との提携は極めて重要な意味を持つ。天宮徳臣にとって、一分のミスも許されない局面なのだ。

この二日間、彼は早乙女珠妃に付き添って会社に泊まり込んでいた。

オフィスに入った瞬間、濃厚な花の香りが鼻をつく。

天宮徳臣は軽く鼻を鳴らし、眉をひそめた。

「何の匂いだ?」

パソコンに向かったまま、早乙女珠妃は顔も上げずに淡々と答...

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