第234章

「お祖母様……」

 天宮大奥様は天宮徳臣の手を引くと、そのままソファへと腰を下ろさせた。彼女は徳臣の顔を愛おしげにじっくりと眺め、目を細めて微笑んだ。

「随分と日に焼けたねえ。それに少し痩せたんじゃないかい? 向こうでちゃんと食事はとっていたのかえ?」

「そんなことありませんよ。お祖母様の気のせいでしょう」

 天宮徳臣は殊勝な態度でそう答えた。この話題で長々と心配されるのを避けるため、彼はすぐに話題を変える。

「それよりお祖母様。北斗叔父さんと千影叔母さんのことですが、一体どうされたのですか?」

 二人の名が出た途端、天宮大奥様は怒りを滲ませて深く溜息をつき、事の顛末を徳臣に語り...

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