第240章

早乙女珠妃が口を開くより先に、天宮徳臣が促した。

「上の階へ行ってみよう」

 早乙女珠妃は頷き、二人はエレベーターで二階へと上がった。扉が開き、フロアに足を踏み入れた瞬間、彼女の瞳が輝きを帯びる。

 視線の先には、部屋の奥へと続く鮮やかな花の道が伸びていた。

 早乙女珠妃は振り返り、驚きに満ちた表情を浮かべる。

「これは……」

「入ってごらん」

 天宮徳臣の言葉に頷き、彼女は花びらを踏まないよう、慎重に足を進めて部屋の中へと入った。

 そして、室内の光景を目にした瞬間、息を呑んで立ち尽くした。

 そこには、千本ものピンクの生花で象られた巨大なハートのオブジェが鎮座していたの...

ログインして続きを読む