第243章

彼女のその細かすぎる指摘に、コーエンは肩をすくめて言った。

「はいはい、あなたの仰る通り、『天宮社長』でいいですよ。で、結局アンタは珠妃に何の用なんだ?」

コーエンの不遜な態度に天宮大奥様が柳眉を逆立てようとしたその時、背後から声が掛かった。

「天宮大奥様……」

振り返ると、そこには早乙女珠妃が立っていた。

天宮大奥様の姿を認めるや、珠妃は数歩歩み寄る。

「どうしてこちらへ?」

「早乙女さんか。久しぶりだね」

天宮大奥様は珠妃を値踏みするように上から下まで眺めた。認めざるを得ない。この女、天宮家を出てからの方がよほど生き生きとしている。

衝突を恐れた長島補佐が慌てて割って入...

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