第248章

早乙女珠妃は否定しなかった。

優雅な手つきで料理を一口運ぶと、ゆっくりと箸を置き、それからようやく口を開く。

「お父様、私に何かご用でしょうか?」

本題に入ると、早乙女正徳の頭から早乙女楽己のことは即座に消え失せた。

彼は単刀直入に切り出した。

「天宮グループに入社したと聞いたが?」

早乙女珠妃は頷いた。

「正確には、天宮グループのデザイン部です」

正徳にとって、デザイン部だろうが何だろうが関係ない。重要なのは、早乙女珠妃が天宮グループに入り込んだという事実だけだ。

「天宮家を追い出された身でありながら、グループ本社に潜り込むとはな。さすがは俺の娘だ、鼻が高いぞ」

早乙女...

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