第263章

「いい加減に黙れ!」

 早乙女正徳はいらだちを隠せなかった。あの早乙女珠妃という小娘が、あろうことか金田の旦那を使って借金の取り立てを寄越したのだ。

 それも百億だ。百億だぞ!

 そんな大金、どこにあるというのだ!

 だが金田の旦那は言った。期限は一ヶ月。もし用意できなければ、会社をカタに取ると。

 金田の旦那にまつわる黒い噂は、正徳も嫌というほど耳にしていた。あの男は手段を選ばない。貸した金は何が何でも回収する。

 金がなければ金目の物で、それもなければ人間そのものを拉致して埋め合わせるのだ。

 以前、金田の旦那への返済を渋った一家が、ある夜突然、神隠しに遭ったように全員消え...

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