第271章

二人は携帯電話を手に、人目につかない半開きのシャッターが下りた店舗兼住宅へと直行した。

早乙女正徳が表から軽くノックする。

「誰だ!」

「私だ。開けてくれ」

早乙女正徳の声を聞き、中の人間はすぐにドアを開けた。

「おや、早乙女の旦那じゃありませんか。どうぞどうぞ、中へ!」

現れた男は黄ばんだ歯を剥き出しにして笑い、口を開くたびに耐え難い口臭が漂った。

背後にいた白井秋叶は、思わず眉をひそめる。

早乙女正徳は宇野秀義から取り上げた携帯電話を男に手渡した。

「松本、この件は頼んだぞ」

松本と呼ばれた男は携帯電話を受け取ると、ペコペコと頭を下げた。

「早乙女の旦那、ご安心くだ...

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