第272章

早乙女珠妃は頷くと、手を休めることなく天宮徳臣の体に次々と銀針を打ち込み、あっという間に彼を針鼠のようにしてしまった。

すべての銀針を打ち終えると、彼女はベッドサイドに腰を下ろし、徳臣の額に滲んだ汗を優しく拭う。

「もう少しの辛抱よ。すぐに良くなるから」

徳臣は蒼白な顔を上げ、珠妃に向けて精一杯の笑みを浮かべた。

「大丈夫だ、これくらい耐えられる」

珠妃とて、徳臣が苦しむ姿など見たくはない。だが、この関門を突破しなければ彼の足は治らないことを、誰よりも理解していた。

彼女は徳臣の手を握り返し、その瞳に痛ましさを滲ませる。

「徳臣、少し話をしましょうか」

「ああ、頼む」

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