第276章

白井秋葉の言葉を聞いて、早乙女正徳はようやく安堵の息を吐いた。

だが、頭痛の種は尽きない。このままというわけにもいかないだろう。いつまでもあの男を監禁しておくわけにはいかないのだ。

「大丈夫よ。松本が人を見つけ次第、すぐに解放すればいいわ。それまでは私たちが毎日様子を見に来ましょう。あいつに気づかれないように慎重にね」

今はそうするしかない。松本が一日も早く目当ての人物を見つけ出してくれることを祈るばかりだ。

          ***

天宮グループ。

定時を告げるチャイムが鳴り、早乙女珠妃がオフィスのドアを開けると、そこには天宮徳臣が待っていた。

彼女の姿を認めた瞬間、天宮徳...

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