第278章

宇野火恋は元来気が短い性格だ。早乙女珠妃から方針を聞き出すや否や、もうじっとしていられなくなり、コーエンを急かして部屋を出ようとした。

コーエンは早乙女珠妃の疲労の色が濃い顔を見て、心配そうに声をかける。

「珠妃、本当に大丈夫か?」

その言葉に宇野火恋が反応し、怪訝な視線を早乙女珠妃に向けた。

「姉さん、どうしたの? 何かあった?」

早乙女珠妃は疲れ切った様子でこめかみを揉みほぐす。

「何でもないわ。少し疲れているだけ。二人とも、もう行って」

「姉さん、でも……」

宇野火恋がさらに食い下がろうとしたその時、コーエンが彼女の腕を掴み、無理やり部屋から連れ出した。

コーエンが気...

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