第284章

早乙女珠妃の言葉に、早乙女正徳は背筋が凍る思いがした。額には冷や汗がびっしりと浮かんでいる。

この娘とは元々親子の情愛など薄い。もし真相を知られたら、自分は本当に破滅だ。

彼は唇を震わせ、おどおどと言葉を紡いだ。

「珠妃……お前が何を言っているのか、父さんにはさっぱり分からないよ。きっと誰かが裏で糸を引いているんだ。悪意ある人間の仕業に違いない」

「今更、そんな言い逃れが通用するとでも!」

ドンッ! と鈍い音が響き、早乙女珠妃の拳が早乙女正徳の目の前の仕切りに叩きつけられた。彼女の瞳に宿る憎悪は、早乙女正徳の逃げ場を完全に塞いでいた。

彼女はさらに顔を近づけ、氷のような声で告げる...

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