第295章

「私……」

 白井秋葉は無意識に首を横に振ろうとした。

 だが、彼女が口を開くより早く、天宮徳臣が釘を刺す。

「言う前によく考えろ。娘に会えるかどうかは、お前のその一言にかかっているんだぞ」

 天宮徳臣の言葉が、白井秋葉の脳裏に警鐘を鳴らす。

 そうだ。娘に会うため、そして何より、この人を食らうような場所から抜け出すためなのだ。

 自由が欲しい。これ以上ここにいたら気が狂ってしまう。

 そう思うと、彼女は乾いた唇を舐め、その目に貪欲な光を宿した。

「話したら、ここから出すって約束して。それにお金もちょうだい。多くは望まないわ、二億でいい」

 よくもまあ、厚かましいことを!

...

ログインして続きを読む