第31章

指輪の話が出たことで、早乙女珠妃はハッとした。そういえばあの日、天宮徳臣に指輪を持っていかれて以来、その行方を聞いていなかった。

一方、早乙女楽己もまた、違和感を覚えていた。

あの指輪が早乙女珠妃にとってそれほど重要な物だとして、あの日、天宮徳臣もまた指輪に見覚えがあるような反応を示していた。

もしかして、この二つの事象には何か関連があるのだろうか?

もしそうなら、なおのこと指輪のありかを教えるわけにはいかない。

「指輪なんて知らないわよ。それに、ママがあなたの宝石を盗っただなんて、証拠でもあるわけ? なければただの言いがかりよ!」

「銀行の貸金庫に残されたものこそが証拠よ。大人...

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