第34章

ソファの上の人物が微かに身じろぎした。清野雪音はハッとして我に返り、慌てて声をかける。

「徳臣兄さん、目が覚めたの? どこか具合の悪いところはない?」

天宮徳臣は額に手を当てた。今回の件は、彼から気力も体力も根こそぎ奪い去ったようだ。しばしの休息を経て、ようやく幾分かの回復を覚える。

「なぜここにいる?」

「徳臣兄さんのために、特製のスープを煎じてきたの」

またスープか。天宮徳臣は思わず眉をひそめた。

「そこに置いておけ。もう戻っていい」

拒絶され、清野雪音は不満を抱いたが、大人しく従うしかなかった。彼女は立ち上がる。

「徳臣兄さん、お医者様をお呼びしましょうか?」

「必要...

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