第39章

裏庭では、咲き誇る薔薇の花が透かし彫りの鉄門に絡みつき、あでやかな姿を見せていた。

そよ風が吹くと花びらが微かに震え、芳しい香りが鼻をくすぐる。

木陰では、天宮の大奥様がハサミを手に、早乙女珠妃に枝の剪定を教えていた。

「うん、悪くないね」

早乙女珠妃が整えた枝ぶりを見て、大奥様は満足げに頷いた。

「なんと器用な手つきだろうねえ。覚えるのも早い。ここは、もう少しこう……」

小さな盆栽は、大奥様の指導の下であっという間に見事な形に仕上がった。手を洗い終えた大奥様は、椅子に腰掛けてそれを眺め、見れば見るほど気に入った様子だ。

「珠妃、あと数日もすれば私を追い越してしまうよ」

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