第44章

執事は心中で理解していた。大奥様は若奥様を信用していないわけではない。ただ、若様のやつれた様子を見て、心が痛むだけなのだ。

「もう一度、医者を呼んで再診させてはいかがでしょうか」

執事の提案は天宮大奥様の心に響いたようだ。

「でも、そのことを珠妃ちゃんにはどう説明しようかねぇ」

執事は少し考えて言った。

「言いにくいことでしたら、いっそ若奥様には内緒にしておくというのは?」

天宮大奥様は頷いた。

「そうだね、珠妃ちゃんには黙っていよう。下がったらすぐに医者の手配をしておくれ」

執事は慌ただしく連絡に向かった。

寝室でようやく発作の余韻から落ち着きを取り戻した天宮徳臣の元...

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