第48章

早乙女珠妃が天宮グループを訪れるのは、これが初めてのことだった。

帝都を代表するランドマークであり、都心にそびえ立つその近代的なオフィスビルは、まるで雲を突き抜けるかのような威容を誇っている。

珠妃が一階のロビーに足を踏み入れるなり、受付嬢が立ちはだかった。

「失礼ですが、どちら様でしょうか? お約束はございますか」

珠妃は一瞬きょとんとしたが、すぐに答える。

「天宮徳臣に会いに来たの。電話で予約が必要?」

天宮社長を呼び捨てにする彼女に、受付嬢は目を丸くした。一拍置いて、ようやく我に返る。

「は、はい……必要でございます」

珠妃は携帯電話を取り出したが、そこでふと、自分が天...

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