第63章

しかし、彼が手を重ねようとしたその瞬間、掌に激痛が走った。

「痛っ!」

鈴本部長は悲鳴を上げ、掌に突き刺さった銀針を凝視した。

「さ、早乙女さん、何をするんですか!」

「失せろ!」

早乙女珠妃の瞳から迸る殺気に、鈴本部長はたまらず後ずさった。

「あら、どうしましたの?」

エレベーターへ向かう早乙女珠妃を追いかけ、清野雪音が駆け寄ってくる。

彼女の姿を見て、鈴本部長は救世主が現れたとばかりに傷ついた掌を突き出した。

「清野さん、早乙女さんの様子がおかしくて……病院へ連れて行こうとしたら、いきなり刺されたんだ」

その場に崩れ落ちそうな早乙女珠妃を見て、清野雪音は口元に暗い笑み...

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