第66章

早乙女正徳は眉を寄せた。

「それが楽己と何の関係がある?」

 白井秋葉は言葉に詰まった。まさか早乙女楽己を天宮徳臣に嫁がせたいなどという本音を口にできるはずもなく、彼女は慌てて話題を転じた。

「つまりですね、早乙女珠妃は以前から楽己に対して偏見を持っていましたでしょう? もし私たちが珠妃の天宮家若奥様としての立場を既成事実化してしまえば、楽己の天宮家での立場はますます厳しくなるのではないかと……」

「なら、連れ戻せ!」

 早乙女正徳がそもそも早乙女楽己を天宮家に置いていたのは、早乙女家にさらなる利益をもたらすためだった。だが今の様子を見るに、何一つ役に立っていないではないか。

「...

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