第71章

早乙女邸。

鶴田家の面々が去るのを待って、早乙女正徳は眉をひそめ、白井秋葉に向かって怒鳴りつけた。

「さっさと楽己を連れて行かんか!」

秋葉が近づくよりも早く、早乙女楽己が不服そうに声を上げた。

「パパ、だって早乙女珠妃があいつ……」

「黙れ!」

正徳は秋葉に命じる。

「早く引きずり出せ!」

「嫌よ、絶対に行かない!」

せっかくの好機を、早乙女楽己がみすみす逃すはずがない。

彼女は金切り声を張り上げた。

「天宮殿、早乙女珠妃です! あいつが私と鶴田さんに妙なものをかけたんです。どうか裁きを下してください!」

言いながら、彼女は羽織っていた毛布を勢いよくかなぐり捨て、傷...

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