第101章 毒を盛った者は、いったい誰だ?

桜井美桜は回りくどい前置きを捨てた。こういう手合いを動かすには、相応の札が要ると分かっている。

「桜井結衣の最近の動き、かなり怪しいんです。あの人……理人さんに“治療”と称して、普通じゃない手段を使っているみたいで。私のほうに、あの二人に関する重要な情報があります。きっと、お役に立つはずです」

受話器の向こうが、数秒沈黙した。やがて、くつりと笑う気配。

「面白い。で、何が欲しい?」

「金です」

桜井美桜は歯を食いしばり、言葉を一字ずつ噛み砕くように続けた。

「まとまった金が必要です。それと……桜井結衣を潰すのに、力を貸してください」

「いいだろう」

黒崎明信の返事は、拍子抜け...

ログインして続きを読む