第57章 試合は第二、誠実は第一

木村建一は一瞬、言葉を失った。指先で眼鏡のブリッジを押し上げ、見間違いではないと念入りに確かめる。

桜井結衣のラボの前まで歩み寄ると、室内の光景にまたしても意外性を突きつけられた。

動きに無駄がない。しかも秩序立っている。

全員が自分の持ち場に没入し、噛み合わせは完璧で、ほとんど会話が要らない。視線ひとつ、指先の合図ひとつで作業が繋がっていく。

――即席の寄せ集め? 冗談だろう。

これは、何年も一緒に戦ってきた精鋭部隊のそれだ。

ちょうど通りかかった桜井美桜と、彼女の「ドリームチーム」も、その一幕を目撃した。

華原悠は目を剝き、勢いよく桜井美桜の腕をつねる。

「美桜、見て! ...

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