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新谷結奈は少し考えた。藤井翼が新谷芽衣にチャンスを与えた、というより――山口拓也が藤井翼に頭を下げて、頼み込んだのだろう。

新谷芽衣は得意げな顔いっぱいに笑みを浮かべ、衝撃を隠せない結奈の表情を眺めたあと、つかつかと近づいて腕に絡みつく。

「お姉ちゃん、うちから二人も馬術大会に出られたら、もっと箔がつくじゃん?」

芽衣は、皆に証明するつもりだった。

新谷結奈を必ず追い抜き、自分こそが新谷家でいちばん優秀な娘だと。

そして周囲に高らかに言い放つ。

「私の出場祝い! 今日のお昼、みんなに奢るね!」

結奈は口元だけを持ち上げた。けれど瞳は冷たいまま。

「芽衣。あなた、私と同じことす...

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