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藤井翼と中村賢也は、すでに扉の外まで来ていた。

中村賢也は胸騒ぎを覚え、低い声で切り出す。

「藤井社長、培風先生……急に診てくれるって言い出したの、どうにも引っかかります。別ルートで誰かに口を利いてもらったんですか」

最初、彼らは培風先生の連絡先すら掴めなかった。あちこちの伝手を頼って、ようやく辿り着いたのに――面会は断られ続け、いつも「予定が埋まっている」の一点張りだった。

つい最近、藤井翼が直々に電話を入れたときになって、ようやく秘書が「一度だけなら診てもいい。ただし結果は保証しない」と言った。

藤井翼も同じ不安を抱えていた。だが今は、とにかく会うのが先だ。残りは会ってから考え...

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