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藤井翼ははっと目を上げ、声を潜めて繰り返した。

「新谷結奈……?」

新谷結奈だと?

藤井翼の驚きを目にした新谷誠彦は、淡々とうなずく。

「そうだ。結奈が君のことで、わざわざ私に電話してきた。話の落ち着くところは、君を直接診てほしい――それだけだったよ」

背後に控えていた中村賢也も、目を見開いたまま言葉を失っていた。

「まさか……新谷さん、ですか」

誰も辿り着けなかった相手に、連絡を通したのが新谷結奈だなんて。

藤井翼はしばらく黙り込み、薄い唇をきゅっと結んだ。

「……俺の病気のこと、彼女にはまだ言わないでください」

ALS。治る見込みはない。国内だろうが海外だろうが、覆っ...

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