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藤井翼はスマホを取り出し、新谷結奈の背中に向けてパシャリと一枚撮った。それから画面を彼女の目の前に差し出す。

「ほら、これ」

新谷結奈は椅子にうつ伏せになったまま、写真を覗き込んだ。

背中――腰の横に近いあたりに、小指ほどの長さの傷跡が一本。位置が位置だけに、普段はそう簡単に目に入らない。

でも、前の人生の自分には、こんなはっきりした傷なんてなかったはずだ。こんな目立つものがあるなら、気づかないほうがおかしい。

藤井翼はスマホをしまい、低い声で言った。

「この大きさで、本当に覚えがないのか?」

この傷が残るほどなら、その時だって痛かったはずだ。結奈が我慢できるような痛みだったと...

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