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新谷結奈はまだ状況を飲み込めないまま、ふらりと藤井翼の胸に落ちた。反射的に、その手首を掴む。

翼が腰に回した腕の中で、彼女は羽みたいに軽い。細すぎて、胸の奥がちくりと痛んだ。

「ピッ、ピ――」

ちょうどそのとき、中村賢也が車で乗り付け、場違いなほど軽くクラクションを鳴らして「乗れ」と合図してきた。

結奈ははっと我に返り、足元を確かめる。頬がみるみる赤く染まった。

翼は咳払いをしてから言う。

「……さっき言おうとしたのは、俺が送っていくってことだ」

医者に聞かれた瞬間、結奈を自宅に住まわせる、なんて考えが頭をよぎった自分がいる。

……何を考えている。結奈はまだ若い、ただの女の子...

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