第10章 考えるな

「まだ続けるの?」

朝霧和音はもう恥じる気力もなく、まるで指示に従うだけの機械のように、感情のこもらない声で尋ねた。

個室の中は薄暗く、実のところ、何が何だかよく見えない。

しかし、朝霧和音の身に纏う服が何枚かは、はっきりと見て取れた。

藤村静香の服は彼女には少し大きく、それがかえって彼女の痩せた体を際立たせるだけに見える。

だが、ジャケットが開かれ、その下の曲線が露わになると、朝霧和音の体には肉がないわけではなく、ただつくべき場所についているだけなのだと気づかされる。

桐生瑛は認めたくなかったが、この瞬間になって初めて、彼は朝霧和音の内に三年前の面影を見出した。

三年前の朝霧和...

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