第12章 彼女はまだ生きている

「あなたたちは、何者?」

朝霧和音は平静を装い、一歩前に出て藤村静香を背後にかばった。

やはり、彼女の第六感は正しかった。

この者たちは間違いなく彼女を狙っており、しかも、明らかに悪意を抱いている。

相手は彼女に答える気はないようで、ただじろじろと上下に見るだけだった。

「お前がそうか? 野郎ども、やれ!」

言葉が終わるや否や、朝霧和音に一息つく暇も与えず、二人の屈強な男が歩み寄り、彼女の両腕を背中に回して押さえつけた。

朝霧和音は力いっぱいもがいたが、振りほどけないと悟ると、二人に引きずられて路地裏へと向かった。

「和音ちゃん!」

背後から、藤村静香の心配そうな声が飛んだ。...

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