第42章

葉田知世は落ち込んでいたものの、回復への強い意志を持っていた。

毎日、ぼんやりとして、食欲もなく、言葉も少なく、何事にも興味を示さなかったが、抗うつ剤を飲むときだけは誰かに勧められる必要もなかった。

しばしば食事はほとんど口にせず、青い錠剤だけが腹の中へと収まっていった。

加藤瑛太が処方した薬の多くには睡眠効果があったため、葉田知世は一日のうち十六時間も眠り、起きている間は心理カウンセリングルームで治療を受けていた。

元々痩せ気味だった彼女は、この苦難を経てさらに体重が落ち、小顔は病的なまでに痩せこけていた。

一方、藤原羽里はすでに動揺の段階を過ぎていた。彼は彼女の一挙手一投足を密...

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