第51章

「家の掟で罰せられる」という言葉は、葉田知世にとって時代劇でしか聞いたことがないものだった。現代人の口から出るとなると、どこか違和感がある。

「今回は私が状況を見誤って、軽率に行ってしまいました。奥様がお咎めになるなら、甘んじて受けます」葉田知世の顔には喜怒哀楽の表情がなく、感情が読み取れなかった。

藤原奥様が最も嫌っていたのは、彼女のこういう態度だった！

所詮は卑しいホステスのくせに、偽りの高潔さを装っている。自分の息子を誘惑しておきながら、態度を軟化させようともしない。

「そう素直に認めるなら結構」藤原奥様は冷たい表情で命じると、数人の屈強な使用人が近づいてきた。

「我が藤原家...