第116話

エイミーが承諾しようがしまいが、彼女がパロマ家のことなどどうでもいいと本気で思っていない限り、結末はあらかじめ決まっていたのだ。

もし今後もパロマ家の令嬢として振る舞いたいのであれば、彼女はパロマ家と一蓮托生、運命を共にしなければならない。

人生には常に代償が伴うものだ。何の不利益も被ることなく、ただ利益だけを享受し続けることなど、到底不可能なのである。

……

病院のベッドで、マルティナは目を覚ますと、またしてもあの見慣れた天井を目にした。以前と同じ病院ではないはずだが、病室の作りや雰囲気はどこも似たり寄ったりだ。

四肢には力が入らず、彼女は渾身の力を振り絞ってようやく手を伸ばすと、強く頭...

ログインして続きを読む