第147話

道は曲がりくねり、極めて険しい。仮に誰かが追ってきたとしても、決して追いつくことはできないだろう。

交わされる議論の声に、サイモンはただ黙って耳を傾けていた。

そして彼は従者のように振る舞い、ベンジャミンとマルティナの後ろを静かについていった。今の彼の主な任務は、二人に付き従い、荷物持ちなどを務めることだった。

道中、マルティナは考えた。せっかくここまで来たのだから、楽しんでもいいのではないか、と。どうせ離れることなどできないのだから。

そう思い直し、彼女はひとまず山頂の景色は後回しにして、近くの通りを散策することに決めた。まずは山の麓を探索したかったのだ。

だが、マルティナのショッ...

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