第170話

その質問を耳にして、レスリーは困惑を隠せず、その場で立ちすくんでしまった。なぜボスは突然、あの連中のことを尋ねてきたのか? もしかして、奴らに何か不審な点でも感じ取ったのだろうか?

心に一抹の疑問を抱きつつも、レスリーはあの男たちについて知っていることを、ありのまま正直に報告した。

「ボス、先に喧嘩を吹っ掛けてきたのは向こうなんです。最初は相手にするつもりもなかったんですが、あのゴロツキどもが執拗に挑発してきまして。俺も短気な性分なもので、つい我慢できなくなって……二言三言言い合った後、手を出してしまいました」レスリーは当時の状況を回想した。

ベンジャミンは沈黙を守っていたが、その表情は...

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