第187話

ベンジャミンはそう口にしたものの、それが単なる口実に過ぎないことは、誰の目にも明らかだった。いざその時が来れば、事態は結局以前と変わらないのではないか。

正直なところ、マルティナには確信が持てなかった。ベンジャミンの今の言葉は本心なのだろうか？ そもそも彼を信じてもいいのだろうか？

人がどれほど変われるものかと考えたとき、かつての彼は無関心で、忍耐強さのかけらもなかったことを思い出す。だが今の彼は忍耐強く、支えになってくれている。それは、マルティナが決して想像すらできなかった姿だった。

しかも、あまりにも劇的な変化だったため、自然と疑念が湧いてくるのも無理はなかった。

マルティナは、誰...