第221話

少なくとも数十年の歴史を持つそのレストランの個室に、ジャックとゲイリーは腰を下ろしていた。二人はこの店が創業し、徐々に規模を拡大していく様子を見守ってきたのだ。五つ星の高級店には及ばないかもしれないが、ここには多くの忠実な常連客がいた。

かつて二人は、連れ立って、あるいは別々に、多くの友人を伴ってこの場所へ足繁く通っていたものだ。しかし、ジャックが病に倒れてからというもの、長い間足が遠のいていた。

ゲイリーもまた、最近は家のトラブルに頭を悩ませており、訪れる余裕などなかった。したがって、二人がここを訪れるのは本当に久しぶりのことだった。

彼らは以前と同じ席に座り、その物腰も普段と変わらな...

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