第24話

ついにマルティナはその男を見つめ、足を止めて問いかけた。「いけないことなの?」

「付き合ってるからって、四六時中一緒にいなきゃいけないなんて誰が決めたの? 私たち、まだ結婚もしていないのよ。今すぐ終わりにしたいと思ったら、それはいけないこと?」

マルティナは言い返した。その表情は真剣で、怒りに満ちていた。

彼女は考えた。普通のやり方が通用しないなら、いっそ非情になるしかない。それが誰にとっても最善なのだ、と。

それに、ベンジャミンの辞書に「妥協」という文字はない。彼がこうしてここに留まり、ずっと彼女に話しかけてくるのも、おそらく祖父の手前だろう。だが、それはマルティナが望むものではない...

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