第4話

マルティナは思わず眉をひそめ、次にどうすべきか一瞬頭が真っ白になった。

ベンジャミンはこれまでビデオ通話を嫌っていたはずだ。これは間違いなく前代未聞のことだった。

マルティナは少し躊躇したが、それでも通話に応答し、すぐに映像を切って音声のみに切り替えた。

すると、受話器の向こうから低く魅力的な男の声が響いた。「どこにいる?」

ベンジャミンはいつも口数が少なく、単刀直入だ。

今もそうだ。なぜ彼女が出て行ったのかさえ聞かず、ただ居場所だけを尋ねてくる。

結局のところ、彼にとって彼女が去った理由などどうでもいいのだろうか。

「外よ」マルティナは目を伏せながら答えた。

「家に帰れ」とベンジャミンは...

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