第81話

この角度からなら、エイミーがぶたれた様子は一目瞭然だった。だが、果たしてベンジャミンはそれを信じるだろうか。

その瞬間、ベンジャミンの表情は氷のように冷徹で、全身はまるで地獄の底から這い上がってきたかのような暗いオーラに包まれていた。その場に居合わせた者なら誰しも、思わず背筋が凍るほどの威圧感だ。

燃え盛る松明のような彼の視線は、一切の温かみを欠いたまま、マルティナの姿を捉えていた。

その様子は、今にもエイミーを庇って立ち上がりそうな気配を漂わせている。

マルティナは自嘲気味に唇を歪めた。ベンジャミンに対して、これっぽっちの期待も抱いていなかったからだ。

「ええ、私がやったわ。私が彼女...

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